就労移行支援の基礎知識

就労移行支援サービスの利用手続きを解説!

就労移行支援サービス利用のステップ

就労移行支援サービスを利用するには、所定の手続きが必要です。

手続きは以下の流れで行います。

  • 利用したい就労移行支援事業所を選ぶ
  • 必要書類を作成し市区町村に利用申請する
  • 「受給者証」を受け取り事業所と利用契約する

受給者証の申請方法は利用する就労移行支援事業所を決めてから行うので、事業所で詳しく説明・サポートがありますので心配不要ですが一応確認しておきましょう。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

利用したい就労移行支援事業所を選ぶ

就労移行支援サービスは、サービス受給証明書を受領してから利用開始をすることができます。

利用開始のステップの順番としては、まず最初に利用をする就労移行支援事業所を選ぶことです。

就労移行支援サービスを受ける場所とは?

就労移行支援サービスは、法律に基づく公的な福祉サービスの一つです。

具体的なサービスは「就労移行支援事業所」で行われます。

就労移行支援事業所は、民間企業・NPO法人・社会福祉法人などがサービスの実施を委託されて運営しており、利用者の募集も各事業所が行っています。

就労移行支援サービスを受けたい方は、みずから、どこの就労移行支援事業所でサービスを受けるかを選ぶことになります。

就労移行支援事業所はたくさんあります。たくさん見学をして自分に合ったところを見つけましょう!

就労移行支援事業所を探す

就労移行支援サービスを受けるためには、就労移行支援事業所を探すことから始まりますが、最近ではインターネットで、さまざまな就労移行支援事業所の情報を見ることができます。

また、障害に関する支援者・支援機関に相談するのもよいでしょう。

例えば、市区町村の福祉課などに行けば、近隣にどういう事業所があるか教えてもらえます。

利用したい就労移行支援事業所を決める

現時点で利用者募集中である、気になる就労移行支援事業所を見付けたら、問い合わせの上、見学・体験に行きましょう。

就労移行支援サービスは公的サービスなので、大枠の運営指針は同じですが、訓練メニューの細かい部分や感じる雰囲気などは事業所ごとに違います。

なるべく比較検討の上、利用したい就労移行支援事業所を決めましょう。

必要書類を作成し市区町村に利用申請する

利用する就労移行支援事業所が来あったら、住まいのある市町村など自治体に就労移行支援の利用申請をします。

申請手続きなどは就労移行支援事業所で詳しく説明・フォローがありますよ。

申請に必要な書類を用意・作成する

就労移行支援事業所に通うことになると、公的な福祉サービスを利用することになりますので、住んでいる市区町村にサービスの利用を申請する必要があります。

申請にはいくつか書類が必要なので、利用したい就労移行支援事業所が決まれば、必要な書類を用意したり作成したりしなければなりません。

なお、全部ご自分で行うという訳ではありません。ご安心ください。

●障害者手帳など
必要な書類としては、申請書類自体ではないのですが、就労移行支援サービス利用の前提として、障害者手帳が必要です。

障害者手帳をすでに持っていれば大丈夫ですが、そうでない場合は取得をします。

ただし、心身の状態を説明する医師の診断書があれば、市区町村によってはサービス利用申請が可能な場合もあります。

●サービス等利用計画・セルフプラン
「サービス等利用計画」「セルフプラン」のどちらかを作成します。

「サービス等利用計画」は、〈利用者の希望する生活〉や〈総合的な援助方針〉を記すもので、市区町村が指定する「相談支援専門員」に依頼して作成してもらいます。

障害の状態により特に手厚い支援が必要な場合は、専門性の高い相談支援専門員に計画を立ててもらう必要があります。

一方、「セルフプラン」は、サービス等利用計画に準ずる内容を、自分(家族や支援者も含む)で書いてもよいというものです。

就労移行支援サービスの利用者は、事業所に自力で通所できるなど、ある程度生活力がある前提なのでセルフプランの作成が認められることが多いです。

相談支援専門員を探して依頼するのは大変でもあり、就労移行支援サービスの利用希望者は、事業所のスタッフに手伝ってもらいながら、セルフプランを作成する場合もあります。

市区町村の窓口に申請する

必要書類がそろったら、それらを持って市区町村の窓口(障害福祉課など)に申請に行きます。

なお、そこでも市区町村の職員により、「障害支援区分認定調査」として、本人の障害の状況などの聞き取りが行われます。(書類のひな形をもらいに行く時など、早い段階で行われることもあります)

「受給者証」を受け取り事業所と利用契約する

申請が終わりしばらくすると受給者証が発行されます。

その後は就労移行支援事業所と契約をしてサービス利用を開始します。

「受給者証」を受け取る

就労移行支援事業所のアドバイスのもと、自治体へのサービスの利用申請を行い、それが受け付けられれば、おおむねサービスの利用が認められる方向となります。

審査の結果、サービスの利用が認められると、自治体から「障害福祉サービス受給者証」が本人に届けられ、就労移行支援サービスの利用が可能となります。

審査にどれだけ時間がかかるかはケースバイケースです。中には、「書類を役所に出してから自宅に受給者証が届くまで1か月弱」という場合も。

申請時にどれくらい期間がかかるか確認しましょう。
事業所のほうもいつから通所がスタートできるか?という確認が必要なため、自治体への確認は進めてくれますよ。

就労移行支援事業所と利用契約する

受給者証があれば就労移行支援サービスが受けられますが、具体的なサービスは就労移行支援事業所で行われますので、ご自分の利用したい就労移行支援事業所と利用契約を結ぶことになります。

ところで、受給者証がなければ就労移行支援事業所と利用契約を結べないのなら、受給者証が届くまでは事業所に通えないのでしょうか?

たしかに原則はそうなのですが、実際的にはそうとも限らず、事業所の裁量で「その間も体験利用として通ってよい」としている所もあるようです。

就労移行支援サービスを利用する手続き まとめ

今回は、就労移行支援サービスを利用する手続きについて手順を追って見てみました。

就労移行支援事業所を利用する場合は自治体へのサービス利用申請の手続きが必要です。

障がい者手帳がすでに手元にある場合とない場合とで必要な手続きも変わってきます。また、障がい者手帳がないと場合によっては利用できない可能性もあります。

就労移行支援事業所にはそれぞれ個性がありますが、手続きに必要なフォローをしてくれるところがほとんどですので過度な心配は不要です。

万が一、見学時にそういったフォローをしてもらえない場合、通所がスタートした後の細かなフォローも期待できない可能性もあるので利用事業所決定の1つの目安にしてもいいかもしれませんね。

見学に行きたい就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は事業所ごとに雰囲気やカリキュラムが異なり、人それぞれ合う合わないがあります。

複数の事業所を比較し、ご自身にあった就労移行支援を選んでください。

見学や体験は必ず行いましょう。

さまざまな事業所がありますが、まずは事業所の数が多く大手といわれる事業所の見学をオススメします。

利用者が定員に達した際には、利用開始までに時間がかかってしまうことや、他の就労移行支援事業所を紹介されることもあるようです。できれば近場の方が通いやすいですよね。

なので気になる事業所があったら早めに見学や体験を申し込みましょう。

障害者手帳がなくても大丈夫。どの事業所もウェブから簡単に申し込みできますよ。

大手の方が実績もあり、スタッフの教育がしっかりしていて手厚くサポートが受けられる体制が整っています。

ピンときた事業所があったら見学を申し込みましょう!

ココルポート(旧メルク)

就職実績・定着率ともダントツのココルポート(旧社名はメルクです)。

最大の魅力は交通費助成とランチ応援制度。経済的な負担が少なく通えます。ドリンクサーバーも用意されているのでお茶代もかかりません。

親身になって不安や悩みを聞いてもらえ、体調に配慮した活動計画を作成してくれます。就職のためのトレーニングは90種類以上のプログラムから選べます。

公式サイトには各事業所の写真やブログが載っているので参考になりますよ。

ミラトレ

ミラトレは、総合人材サービスを手がける「パーソルグループ」のパーソルチャレンジという会社が運営しています。

パーソルチャレンジでは障害を持つ社員が多く働いていて、障がいへの理解が社内に浸透しています。

専門支援員が親身になって利用者の特性・状況を把握し、無理のない通所を支援してくれます。

ミラトレでは就職先企業が重視する「コミュニケーション能力を高めるプログラム」に力を入れています。高い就職実績、その後の定着率も魅力です。

LITALICOワークス

LITALICOワークスは精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病の方が利用しています。

北海道から沖縄まで70ヶ所も事業所がある大手の企業です。

スタッフは障害と就労に関する両方の知識を学び、継続的なフォローアップ研修や社内試験などを通してスキルアップを図っています。

就職後の定着率も88%と非常に高い数字です。

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